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低糖&低脂肪で健康効果 南米で「薬用チョコレート」発売間近

カカオの健康効果に期待
カカオの健康効果に期待(C)日刊ゲンダイ

 チョコレートの主成分「カカオ」には、抗酸化物質、ミネラル、カルシウム、鉄分が含まれ、血圧を下げる効果などがここ数年、話題になっています。

 そして今回、「薬として摂取できる可能性のあるチョコレートがついに誕生した」というニュースがロンドンから飛び込んできました。

 カカオの抗酸化物質の含有量はブルーベリーの40倍といわれていますが、現在のチョコレートの多くは、砂糖と脂肪の割合が70%。薬どころか逆効果になる心配がありました。

 ところが、先日、ロンドンで行われた「世界チョコレート・フォーラム」で、こうした不安を解消する画期的なチョコレートが発表されたのです。ボストンとボリビアに本拠地を置くクカ・ソコ(Kuka Xoco)という会社が出展したチョコレートは、砂糖と脂肪の割合が市販品の半分の35%という低さ。

 ピュアなカカオは非常に苦味が強く、とても口にできるものではありません。そこで研究者のグレゴリー・アーロニアン(Gregory Aharonian)さんは、南米ボリビアとペルーに自生するコカの葉の抽出物を使い、その苦味をある程度取り除くことに成功したと発表しています。グレゴリーさんの目標は、さらに砂糖と脂肪を10%以下に落とすことで、今後さらなる研究を続けるそうです。

 今回発表された低糖分・低脂肪のチョコレートはまず来年、南米で発売される予定です。ヘルシー志向の人の間では「ギルティー・プレジャー」(後ろめたい喜び)とまで言われてきたチョコレートが、「薬」として堂々と食べられる日も近いかもしれません。

▽シェリーめぐみ ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター。横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com