大橋巨泉氏は“翌日復帰” 肺がんの「日帰り手術」は可能なの?

14日にがん摘出手術を受けていた大橋巨泉氏(C)日刊ゲンダイ

 肺がん治療の権威で、新座志木中央総合病院名誉院長の加藤治文氏は、「超レアケース」としながらもこう言う。

「縦隔のリンパ節は、上・中・下の3カ所に分かれます。巨泉さんの闘病歴をうかがうと、中咽頭がんがあちこちに転移しているようで、そうすると今回の転移は上部か中部の可能性が高い。その部分なら、腫瘍の摘出に必要な器具を出し入れする穴は1つで済むケースもある。穴の直径は4~5センチで、腕のいい外科医なら手術は1時間で終わります。日帰りは技術的に可能です。しかし、胸腔鏡による手術でも、手術中の出血などがあれば、開胸手術に切り替えるといったリスクがある。病院側が日帰りをアピールすることは、まずありません」

 80歳を越えてまで、日帰り手術しなければならないほど仕事に追われる生活がうれしいのかどうか悩むところだが、超短時間で治療が済む可能性があることは知っておいて損はない。

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