しかし、これを都道府県別に見ると、かなりの差がみられます。
最大の肥満県は沖縄。肥満率は実に8・4%です。沖縄といえば、かつては健康長寿の代名詞のようにいわれていましたが、近年肥満率が高まり、とくに男性の平均寿命は全国30位に急落しています。沖縄に次いで肥満率が高いのが北海道の5.3%。千葉、東京と続きます。もっとも低いのは新潟県の3・1%でした。
肥満率上位には、関東・関西・四国の県が名を連ねています。ところが、それらの県の肉購入量は必ずしも多くはありません。というよりも、むしろ全国平均よりも低い県のほうが多いのです。
では、肥満の原因は何でしょうか。ひとつの可能性は、めん類やパンです。四国は香川県を中心に、うどんの消費が全国トップクラス。関西はパンの購入量が際立っています。また南関東は、東京や神奈川を中心にスパゲティなどパスタ系の消費が多いのが特徴です。
そもそも日本人が食べる程度の肉の量では、そうそう肥満にはならないはず。断言はできませんが、日本人の肥満は、むしろうどん、パスタ、パンなどで取る炭水化物に原因があるのかもしれません。
長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)
家計簿を見れば病気がわかる