先週の肺がんに続き、今回は乳がんの生存曲線を見ていきましょう。前回、取り上げた転移のあるステージIVの肺がんの生存曲線に合わせて、乳がんも遠隔転移のある最も進行した段階のステージIVを取り上げましょう。
ステージIVの肺がん患者の半分が6カ月以内で亡くなるのに対し、ステージIVの乳がん患者は3年以内で半分の患者が亡くなります。同じステージIVといっても全く異なることがわかります。また、肺がんでは1年半で90%の人が亡くなり、5年以上生きる人は数%という状況でしたが、乳がんでは10年近くまでに80~90%の人が亡くなります。つまり、10%以上の患者は10年以上生きるということです。
さらにステージIVの乳がん患者で印象深いのは、10年を過ぎると生存曲線がほぼ平坦になることです。転移があったとしても10%近くの人は15年、20年と生きるというわけです。
医療数字のカラクリ