耳鼻科の病気

鼻は生理現象で詰まることがある

 こうした機能を保つために鼻の穴(鼻腔)は鼻中隔で左右に分けられ、左右にはそれぞれ側壁から3つの骨が張り出しています。上から上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介です。

 ちなみに、鏡を見ていて“鼻に大きなできものが見つかった”と来院する患者さんがおられますが、腫瘍ではなく、アレルギー性鼻炎などにより、腫れた下鼻甲介を指していることがほとんどです。

 ネーザル・サイクルは左右の鼻甲介が交互に膨れたり縮んだりして、1~3時間ごとに左右の鼻が交互に詰まる現象です。

 これは昔から研究されてきましたが、どうしてそうなるかはまだわかっていません。

 ただし、一日中、同じ側の鼻が詰まっているとしたら、ほかに原因があると思って、ぜひ耳鼻科を受診してください。

 ネーザル・サイクル以外の鼻づまりは、鼻腔内の極端な左右差を起こす鼻中隔湾曲症やアレルギー性鼻炎などで起こる下甲介粘膜の腫脹や肥厚性鼻炎などが考えられます。他に副鼻腔炎や腫瘍も原因となります。

 常に鼻が詰まっているようだと、まずは薬での治療となりますが、頑固な場合は、状態を見て外科的な手術を含めた治療を考えてもいいかもしれません。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。