独白 愉快な“病人”たち

司会者 みのもんたさん (70) 脊柱管狭窄症 ㊤

(C)日刊ゲンダイ

「これはヘルニアじゃなく、脊柱管狭窄症です」

 福井先生が初めて、ヘルニアと違う病気だと診断されました。椎間板ヘルニアは、椎間板が変形して飛び出し、それが神経に触れて痛むものだそう。

 僕の腰は脊椎が削れてすべり症になっているところを、脊柱管の内側に病変した靱帯や骨のカスがたまり、脊椎管を狭めていた。カスを取り除けば痛みは消えるというのです。「腰痛=ヘルニア」だという思い込みが違っていたんです。

 当時、平日は「朝ズバッ!」「思いッきりテレビ」の生放送、そのほか合計7本のレギュラー出演。翌年ギネスに認定されたほど忙しい時期で、すぐ手術とは体が許さず、8カ月後の11月末になりました。ところが、大晦日にNHK紅白の司会という大役が回ってきて、正月に延期しました。

 手術までは痛みが増すばかり。鎮痛薬が切れると、とたんにひどい痛みに襲われる。僕は3時間睡眠の1日21時間営業だから、鎮痛剤も普通の人の1日分じゃもたなくて、薬の量は増えるし、効きも悪くなる。調子が悪いせいで、酒の量も増えてね。寝るだけでも痛いので、眠りが浅くなって、疲れも増して悪循環。

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