独白 愉快な“病人”たち

ものまねタレント コロッケさん (54) 真珠腫性中耳炎

(C)日刊ゲンダイ

 幸い、子供の頃からポジティブにできていて、次を考えるほうにシフトしてしまう。淡い期待は、がっかりした時のダメージが大きいだけですから。ものまねも全て、まず受け入れることがスタートなんです。

 26歳ぐらいの時、ある大先輩が「目で聞く、音で見る。見ていて音を想像し、目を閉じて想像してみなさい」と教えてくださった。漠然と体現していたことが腑に落ちた。

 ものまねをする時、耳が聞こえない分、自分の想像を加えてデフォルメして僕のものまねが完成する。僕のまねる技術、芸風は真珠腫のおかげだと。その言葉を頂いてから、心がクリアになり、ますますアイデアが広がり、芸の幅が広がりました。

 だから、僕自身は耳のことをハンディだとは捉えていません。居酒屋のようなワイワイしたところでは右側は聞こえないけれど、「僕は端っこが好きなんです」って右端の角に座れば、周りも余計な心配せずにいられますし。

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