独白 愉快な“病人”たち

コメディアン・俳優 小松政夫さん (72) 敗血症

(C)日刊ゲンダイ

 それじゃ風呂でもと入ると……。気がついたらバスタブに倒れ込むように入っていて、顔面にシャワーがザーッと当たっていたんです。

 人を呼ぶにも声が出ない。「これは脳出血だ!」ととっさに思い、まずは助けを呼ばねばと風呂おけを握り、バスタブをカンカン叩いた。付き人がやってきて、パンツぐらいはかせてもらおうと思ったら、それより先に救急車を呼んだ。

 救急車に乗ると救急隊員と病院のやりとりがよく聞こえてね、受け入れを断られて、たらい回しにあっている。なかなか動かない救急車の中で、もしかしたらこのまま死ぬのかと思いましたよ。

 診察の結果は脳出血ではなくて、敗血症でした。血液中に大腸菌が侵入して、悪寒や高熱、記憶まで曖昧になったんです。詰めて仕事をして、その後4日間続けて寝ずに遊んだ“過労”が原因でした。

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