独白 愉快な“病人”たち

講談師 一龍斎 貞水さん (74) ㊦

(C)日刊ゲンダイ

 肺がんと同時期に前立腺がんも見つかった。こちらは様子見で、去年、放射線治療をしました。お釜のようなところに入れられて、放射線を照射。患部に赤いマジックで印をつけるんですが、放射線が患部を外れると出血したりしてね、なかなか難しい。これを40日間毎日連続、休みなく続けた。

 検査の時、尿道から管を入れて、さらに肛門からも器具を入れて、患部を押して調べられるのはつらかったね。放射線もやはり体に負荷がかかるようで、事前に医者から「体がひどくダルくなる」と脅された。それでも仕事は休まず続けたよ。ダルさなんて若い頃からの二日酔いで慣れたもんです、ワッハッハ。

 そもそも、がんなんて心配したって仕方ない。膀胱、肺、前立腺と、もう3つも経験したら気にしないよ。医者も「白髪が生えたようなもんだ」って言う。だから私も「先生、これ以上“悪くならない”ようにしてください」って頼んでいます。

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