家計簿を見れば病気がわかる

米中心の食事は寿命を延ばす?

(C)日刊ゲンダイ

 一方、平均寿命は昭和40年に男性67.7歳、女性72.9歳だったのが、昨年は男性80.8歳、女性86.8歳と、大幅に延びています。

 従って、この数字だけを見れば、炭水化物を食べないほうが寿命が延びるといえそうです。

 とはいえ、この間に高齢化が進んだため、話はそれほど単純ではありません。昭和40年の日本人の平均年齢は約25歳、昨年は約46歳。若者と中年では、食べる量が違うのは当たり前です。それを考えると、炭水化物の総摂取量は、それほど大きく変わっていないのかもしれません。

 ちなみに、家計調査で米を多く買っている県、少ない県を表に示しました。これを見ると米をたくさん食べることと寿命の関係はハッキリしていないといえます。トップは静岡の94・5キロ(1日約260グラム)。米1合は約150グラムなので、1日当たり1.7合ほど消費している計算になります。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。