Q
大動脈弁狭窄症で弁を人工弁に交換する手術をすすめられています。人工弁には生体弁と機械弁の2種類があるようですが、どちらにしたらいいでしょうか。(40歳・男性)
A
現在、日本で一般的に使用できる人工弁には「生体弁」と「機械弁」の2種類があり、どちらも利点と欠点があることは、前回お話ししました。また、最近はある一定以上のサイズ(21ミリ)の弁を入れられる患者さんには、生体弁をすすめるケースが多くなっていることにも触れました。
生体弁は、働き盛りの年代では12~15年経過すると劣化が避けられないため、将来的に再び弁を交換しなければならないという“弱点”があります。しかし、「TAVI」(経カテーテル大動脈弁留置術)という血管内治療によって、再び開胸して手術する手間をかけずに新しい生体弁に交換することが可能になってきました。この方法によって、生体弁の寿命を気にかけることが大きく減じたのです。
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