Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【アンジェリーナ・ジョリーさんのケース】乳房切除を決意させた遺伝性は…

アンジェリーナ・ジョリー、ブラット・ピット夫妻(C)日刊ゲンダイ

 北斗晶さん(48)の告白で、乳がんが注目されています。彼女は右の乳房を失ったつらさを涙ながらに語り、抗がん剤治療に挑むそうです。その副作用による脱毛のショックを和らげようと、髪をショートカットにした姿が印象的でした。

 そんなつらさを未然に取り去ったのが、米女優アンジェリーナ・ジョリーさん(40)です。2年前の3月、ニューヨーク・タイムズに寄せた「将来の乳がん予防のための乳房切除」は世界的な反響を呼びました。

 乳がんの発病には、BRCAという「がん抑制遺伝子」が関係。この遺伝子に生まれつき異常を持つ女性は、正常の人に比べて10~19倍、乳がんになりやすいといわれています。特に若い年齢で発症しやすく、ジョリーさんの母も若くして乳がんと卵巣がんを併発して亡くなりました。母方の祖母も卵巣がんで、叔母も乳がんで他界。この遺伝変異は卵巣がんにも関係しているのです。

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中川恵一

1960年生まれ。東大医学部医学科卒業。同院緩和ケア診療部長を兼務。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。