家計簿を見れば病気がわかる

炭水化物 好きな京都人は嫌いな宮崎県人より肥満率が低い

(C)日刊ゲンダイ

 穀物由来の炭水化物をもっとも多く購入しているのは、意外にも京都でした。実は京都人は、かなり炭水化物好きなのです。菓子や外食にもかなりの金額を使っています。菓子に払っている金額は全国6位、外食は9位。サツマイモ(購入量で14位)やジャガイモ(同3位)など、イモ類も好きです。それでいて、メタボ健診の肥満率(BMIが30以上の比率)は下から8位(50代前半の男性)と、かなりスリムな体形を維持しています。これらの数字を見る限り、「炭水化物は太る」とは限らないようです。

 一方、炭水化物の購入が少ないのは宮崎。穀物だけでなく、菓子の購入金額でも全国46位、外食費は35位、イモ類もあまり買っていません。県民は、はからずも“炭水化物ダイエット”を行っているようなものです。その甲斐あってか、肥満率は全国平均を下回っています。ただ残念ながら、京都の肥満率のほうがさらに低い。

 調べてみると、宮崎は焼酎の購入量で、断然の1位でした。焼酎自体は炭水化物をまったく含んでいません。そのため酒類のなかでは太りにくいといわれていますが、やはり量が過ぎれば、カロリーの取り過ぎになる、ということなのでしょう。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。