家計簿を見れば病気がわかる

和食のイメージの京都は無敵のパン王国

(C)日刊ゲンダイ

 前回は、京都の一般世帯が、主食(穀物)からの炭水化物を全国でもっとも多く購入しているという話をしました。

 京都は和食の中心地。熱々のごはんとおばんざいの食事を、日常的に食べているイメージがあります。厚労省が推奨する、ごはん中心の健康和食です。だからこそ肥満も少ないのでしょう。そんな気がしませんか。

 ところが、そうでもないのです。主食の炭水化物を米、パン類、麺類に分けて計算してみると、思わぬ事実が見えてきます。〈表1〉はパン類からの炭水化物の割合が高い県を示したものです。トップは岡山、なんと30%以上をパンから摂取しています。そして京都は第3位。約27%がパンで占められているのです。実際、京都に行ってみると、市内の至るところに大小のパン屋を見つけることができます。

 しかもパンだけでなく、乳製品も大量に買っています。牛乳の購入量は全国1位。バターも全国1位。京都は、もはや向かうところ敵なしの“パン王国”だったのです。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。