家計簿を見れば病気がわかる

和食のイメージの京都は無敵のパン王国

(C)日刊ゲンダイ

 上位には、兵庫(神戸)、大阪、東京なども入っていて、大都会を中心にパン食が着実に広がっていることが表から分かります。パンよりも米のほうが健康にいいと言ってみても、この流れは変わりそうにありません。

 では、麺類(生麺、乾麺、スパゲティ、カップ麺、即席麺など)はどうでしょう。〈表2〉をご覧ください。麺類からの炭水化物の割合が1位の県は、これまた意外なことに宮城でした。うどん王国の香川が2位につけて面目を保っていますが、4位と5位は東北勢で占められています。

 その次も山形、栃木、神奈川、長野、青森と続いており、香川以外の四国勢は、かなり下位に甘んじています。その限りでは、東北こそ、麺王国を名乗るにふさわしいと言えそうです。ただし、数字はあくまでも家庭で購入した量に基づいていますので、誤解なきよう。

 また、3位の岡山は、パンでも1位。岡山県民が自宅で食べている(主食系)炭水化物のうち、米はわずか44.5%に過ぎません。その意味で、岡山県民は厚労省が推奨する食事から、もっともかけ離れていると言っていいでしょう。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。