末梢動脈疾患(PAD)は、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病や喫煙などが原因で手足の動脈が硬く、細くなり、最後には完全に詰まってしまう恐ろしい病気です。
下肢の動脈に多く見られ、典型的な自覚症状は間欠性跛行です。歩くと足や腰の痛みや痺れが出て、止まると治まります。脊柱管狭窄症や座骨神経痛でも似たような症状が出るため、そうとは知らずに整形外科にかかる患者さんも少なくありません。重症では、潰瘍ができたり足が腐ってしまうことすらあります。
今年の欧州心臓病学会では、すべての人にPADの診断が必要かどうかの議論がありましたが、生活習慣病など虚血性心臓病のリスクのある人では積極的にすべきとの見方が一般的でした。
こうした症状が出るときは血管の詰まりが進行していることが多いのですが、症状が出る前でも、比較的簡単な検査でPADは診断できます。気になる人は覚えておいてください。
しなやかな血管が命を守る