しなやかな血管が命を守る

【抹消動脈疾患】 症状が出る前でも簡単な嫌なさで早期診断できる

東邦大学佐倉病院の東丸貴信教授(C)日刊ゲンダイ

◆血管超音波(エコー)検査

 超音波を対象物に当てて、その反射を映像化し、動脈の詰まっている場所を探し出し、血管や血流を調べる検査です。動脈の血液の流れを観察することで、血流の波形と収縮期の最高血流速度(PSV)を測定し、波形の変化とその増加で詰まり具合を診断します。また、血流のカラー画像で狭窄度と血流が同時に評価できます。

 最新のデータでは末梢動脈疾患の正確な診断率は8~9割といわれています。

◆MRI(MRA)

 核磁気共鳴画像で、アレルギーや腎機能を悪くする恐れのある造影剤を使用しないのが一般的です。下肢動脈全体の画像も得られ、内径の狭窄度や血管壁の状態、血流速度などの評価が可能です。超音波検査よりやや診断精度が高いようです。

◆造影CT検査

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。