しなやかな血管が命を守る

【抹消動脈疾患】 症状が出る前でも簡単な嫌なさで早期診断できる

東邦大学佐倉病院の東丸貴信教授(C)日刊ゲンダイ

 造影剤を静脈内に注射して、CT画像上に動脈の輪郭を映し出す検査です。動脈全体が立体的に見えて、血管壁の石灰化などの硬化の状態や狭窄度を正確に知ることができます。動脈超音波検査やMRIよりも正確に閉塞部位を診断評価できます。

 その診断精度は95%以上といわれています。

◆下肢動脈造影検査

 カテーテルという管を動脈に入れて、造影剤を注入して動脈の詰まり具合の確定診断ができます。

 ちなみに、動脈硬化を診断するPWV検査(脈波伝播速度)や心臓足首血管指数(CAVI)は、動脈硬化で高値になりますが、PADが進むと逆に低下してきます。

 PADの下肢動脈の詰まりは早期診断し、症状と血管や全身の状態を診た上で、最善の治療法を検討することが重要です。

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。