独白 愉快な“病人”たち

落語家 林家こん平さん (71) 多発性硬化症 ㊦

(C)日刊ゲンダイ

 右手がしびれるので箸は左手を使っているし、日常生活も不便。でも、卓球ならできたんです、これが!
「らくご卓球クラブ」を小遊三師匠と1986年に立ち上げてましてね、毎週月曜日の午後がクラブの練習時間で、そこに行くとみんなが「監督」「師匠」って呼んでくれる。すると、芸人魂に気合が入る。体の可動域が広がり、右手にラケットを持ってサービスだって打てるんです。サービス精神旺盛でしょ!

 普段はベッドから起きるのだって難儀なのに、娘の迎えが遅いと自分でかばんにラケットを詰めて、娘を迎えに行くぐらい。卓球のためならアクティブになれる。今は足の調子が悪く、通院中で卓球を休んでいますが、再開できるように頑張りたいと思っています。

 4年前に「チャランポラン闘病記」という本を出版し、出版記念の会見をしましてね。ろくに話をできない私でも、皆さんが待っていてくれたのは本当にうれしかった。

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