独白 愉快な“病人”たち

元サッカー選手・元Jリーグ専務理事 木之本興三さん (65) グッドパスチャー症候群 ㊤

(C)日刊ゲンダイ

 そうやって過ごしているうちに、発症から5年が経ちました。同病の方々は5年以内で亡くなっている。でも、僕は生きている。では、どうして助かったかというと、やっぱりサッカーなんです。ずっとサッカーをやっていたおかげで、体力があった。それが、腎臓2個を取った後の体の“激変”に耐えられた。やっぱり、ここでもサッカーに救われたんです。

 この5年目を迎えた年に、2つの朗報が届きました。

(次回につづく)

■グッドパスチャー症候群 肺と腎臓が侵される自己免疫疾患。肺と腎臓が互いを攻撃して機能を失う。無治療の場合、ほとんどが死に至る。

▽きのもと・こうぞう 1949年千葉県生まれ。古河電気工業でサッカー選手として活躍。難病で引退後は、サッカーのプロ化、Jリーグ創設を牽引した。2002年日韓ワールドカップの際は、日本サッカー協会強化副本部長の立場で日本代表をサポート。元Jリーグ専務理事、元日本サッカー協会常務理事。著書に「日本サッカーに捧げた両足」。

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