独白 愉快な“病人”たち

漫才師 オール巨人さん (62) C型肝炎 ㊤

(C)日刊ゲンダイ

 最初にペグインターフェロンを打った時は、39度の高熱が出て、インフルエンザのような状態が3日間続きました。その後も、発熱、嘔吐、口内炎、肺炎、脱毛と、副作用に襲われました。

 めまいもひどく、舞台袖に行くのがやっと。袖に置いたイスに座って体を落ち着けてからでないと、舞台に立たれへん。目の前がはっきり見えないほど調子が悪い時もしばしば。「倒れたらお客さんに迷惑かけるなぁ」なんて考えていました。

 食欲も失せ、体重は9キロ減。味覚が過敏になり、キムチなんて食べたら口の中が焼けるように痛い。サビ抜きの寿司とうどんばかり食べて体力を保っていました。

 ただね、休みをもらったのは、治療開始の1週間だけ。それ以外は、仕事はいつも通りです。午前中に病院で注射を打ってから、「なんば花月」に滑り込みで舞台に立つこともありました。どんなに体がつらくても、本番はちゃんと漫才ができるんです。C型肝炎についての講演も積極的に引き受け、自分の病気について語りました。仕事があったからこそ、治療を頑張れましたね。

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