介護の現場

3度の食事準備、トイレ掃除を続ける毎日

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 特養老人ホームに入居できる基本条件は、年齢が65歳以上で、「要介護度3」以上である。

 厚労省が定めている介護制度は要支援(1~2)から要介護度(1~5)まで7段階あり、「要介護度3」は「独り暮らしが不可能で、食事や排泄など第三者の援助が必要なレベル」と決められている。

 入居手続きは住居所在地の市に申請し、市が派遣した担当ケアマネジャーの面接から市の最終審査など、何段階かのハードルをクリアしなければならない。

「介護保険が適用される要介護度2は、車椅子を使用したりで、ひとりで寝起きなどが困難な人。また、特養入居の条件である要介護度3になりますと、食事や排泄がひとりでできない人になっています。ですから面接の時、事前に父に、『食事やトイレはもうひとりではできません』と言えと教えました(笑い)。実際は、トイレはよたよたと歩きながら行ってましたけどね。でも年寄りは、人前では少しでも良く見せたいのでしょうか。すごく元気なふりをするわけです」(古川さん)

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