お酒はおいしく、健康的に楽しみたいもの。漢書には「酒は百薬の長」と書かれていますが、これは「酒を適量に飲めば、薬にも勝る」という意味です。
お酒が好きな人間が、お酒を飲むための自己弁護に使いがちなことわざですが、「適量に飲めば」という条件が重要なので、それを忘れてはいけません。
一方、日本では「徒然草」に「百薬の長とはいへど、よろづの病はさけよりこそおれ」ともあります。「飲み過ぎると病気のもとになる」という意味です。
薬にも、「病のもと」にもなるお酒。漢方薬には、お酒と一緒に服用することでより高い効果を期待できるものがあります。
たとえば、婦人科でよく使われる当帰芍薬散です。古典には、「白酒で服薬する」といった内容が書かれています。身近なものでは、生薬を酒に漬けた薬酒もあります。
また、「暴飲暴食が肝臓を傷める原因になると思っていた」と、漢方を学び始めた人からよく言われます。
もちろん、食事やお酒が肝臓にダメージを与えていることもありますが、東洋医学ではむしろ、「肝」が悪い時には怒りの感情が渦巻いていたり、慢性疲労、睡眠不足、ストレスがあったり、ということを先に考えます。
そういった意味では、リラックス効果のあるお酒は心身を良い状態にもっていくのに役立ちますね。
イライラしている人が周囲にいたら、「一杯、飲みに行かない?」と誘いますか。
漢方達人をめざせ!