家計簿を見れば病気がわかる

鳥取・青森県民はカレー好きで消化器がんが多い

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 昭和世代にとって、カレーは国民食であり、「家庭の味」を代表する料理のひとつです。そのカレーを、家で作るのに欠かせないのが「カレールー」。その購入量が多い県を表にまとめてみました。2010年から2014年までの5年間で、総合トップは鳥取、次いで青森でした。鳥取の5年間の平均購入量は、約2キログラム。一般的なカレールーは、1かけら20グラムで1食分。したがって鳥取県の平均世帯の購入量は、なんと100食分に相当します。

 ところで鳥取と青森、先週のマヨネーズの話でも出てきたのを覚えておいででしょうか。マヨネーズの購入量トップも鳥取、2位が青森でした。

 マヨネーズは油のかたまりのような食べ物ですが、カレールーも負けず劣らず油脂をたっぷりと含んでいます。しかもカレーを煮る際には、たっぷりの肉をたっぷりの油で炒めます。家庭によっては脂身の部分も使っています。味と口当たりがいいので、ごはんも多めになりがちです。

 カレーもマヨネーズも大好きという人は少なくありません。カレーライスとマヨネーズごはん、言われてみればかなり似ている気がします。

 しかし、カレーもマヨネーズも……となると心配なのが肥満。ところがこの2県とも、決して肥満率が高いわけではありません。だったら安心してもいいのでしょうか?

 もちろん、そんなに甘くはありません。実は消化器がんにかかる人が多いのです。患者数(受療率)を全国平均と比べてみると、鳥取は胃がん1.6倍、大腸がん1.2倍です。また青森は胃がん1.5倍、大腸がん1.4倍となっています。高血圧患者も多めです(鳥取は全国平均の1.2倍、青森は1.3倍)。ほかにも心臓病や脳卒中の患者も多めで、健康問題を抱えている人が大勢いることが分かります。

 もちろんカレールーやマヨネーズが直接、健康に悪いというわけではありません。それらに象徴される、油脂分の多いガッツリした食事を日常的に取り続けていると、健康に悪い影響が出やすくなるということでしょう。

 家に帰ったら、さっそく家計簿をチェックしてみてください。カレールーとマヨネーズの購入量が多い家庭は、食生活を一度総点検してみる必要がありそうです。