幻の豚として知られる琉球在来黒豚の「アグー」。かつて絶滅寸前だったが、危機を乗り越えた。しかし、今でも頭数は少なく、貴重な豚であることに変わりはない。
そのアグーの種類には、大きく2つある。ひとつはアグーと西洋豚を掛け合わせた交雑種で、ほとんどが白豚。もうひとつはアグー同士の交配から生まれた黒豚。特に後者は生産者が少ないこともあり、希少価値だ。
「アグー」と銘打った豚肉はどちらなのか、一般にはわかりにくい。琉球在来黒豚を生産する青空豚牧場の山本大五郎氏はこう話す。
「琉球在来黒豚同士の肉と、他品種と交配した豚の肉をきちんと区別すべきです」
実際、アグー同士から生まれたものをしゃぶしゃぶにして食べてみたが、口の中で肉がとろけて非常においしかった。
栄養価の面でも、アグーをはじめとする豚肉は健康パワーが高い。
特筆すべきは、ビタミンB群が豊富な点だ。ビタミンB群は糖質や脂質、タンパク質などの代謝を促進し、エネルギーの生成に役立っている。もしビタミンB群が不足すれば、エネルギーがうまくつくれず、乳酸などの疲労物質がたまって、疲れやすくなってしまうのだ。
また、豚の脂肪にはオレイン酸が多く含まれている。オレイン酸は悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化や生活習慣病の予防も期待できる。
アグーの伝統を守るためにも、食べて応援し、スタミナもつけていきたい。
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