肺がん治療に前進もたらす「遺伝子異常退治」って何だ?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 非小細胞肺がんは、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんに分けられ、一番頻度が高い腺がんの半数以上に「EFGR遺伝子」の異常が見られることが明らかになっている。ガイドラインでは、遺伝子検査でEFGR遺伝子変異があれば、効果を発揮することが確認されている3つの分子標的薬の中から治療薬を選択することが推奨されている。

 さらに、非小細胞肺がんの約5%はEML4-ALK融合遺伝子を有しており、現在、2種類の分子標的薬が効果を示す治療薬として国内で承認されている。

■全国200病院の患者が登録

 しかし、残された問題は、さらに頻度が低い遺伝子異常に対する治療だ。そのひとつである「RET融合遺伝子」は、肺がん全体の1%しかいない。

「がんセンターでも100人中1人しか該当せず、ある程度の人数を集めるには相当の期間が必要になります」

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