家計簿を見れば病気がわかる

塩を多く買う県に高血圧が多いわけではない

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 塩は、予防医学の専門家から“健康の敵”として指弾されています。なにしろ世界保健機関(WHO)が、「成人の1日の摂取量を5グラム未満に抑えるべきだ」と言っているくらいです。それに対して日本人の平均摂取量は、男性11.4グラム、女性9.6グラムだそうです。厚労省などが、減塩に躍起になっているゆえんです。

 ただし、日本人は塩を取り過ぎだと単純に結論づけるのには、少々疑問が生じます。日本の食事は、欧米人と比べて肉の量が少なく、カリウムが豊富な野菜や海藻が多いのです。

 実はカリウムは、体内の塩分(塩化ナトリウム)の排泄を促す作用があるのです。そのため、必要な塩分を補給せずに野菜や海藻を食べ続けると、体はナトリウム不足に陥り、だるさやめまい、集中力が持続しないなど、さまざまなトラブルが生じやすくなります。

 一方、肉には人体とほぼ同じ比率でナトリウムとカリウムが含まれています。ですから肉中心の欧米人は、塩の摂取量が少なくても問題ないのです。

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永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。