有名病院 この診療科のイチ押し治療

【めまいリハビリ】横浜市立みなと赤十字病院耳鼻咽喉科(横浜市中区)

(提供写真)

「めまいを持つ患者さんは不安やうつを伴う場合も多いので、ひとりではなかなかリハビリをやる元気が出ません。集団で声を出してやることで前向きになれて、正しい体操のやり方を早く習得できるのです。参加する半数はリハビリで良くなった先輩患者さんで、慣れていない新規の患者さんをボランティアでサポートしてくれています」

 体操は、外来患者は自宅で1日3回、入院患者(4泊5日)は1日4回行う。通常の治療にめまいリハビリを組み合わせた同科の改善率は、外来では1カ月後で約60%、3カ月後で約70%。入院治療では1カ月後で約80%、3カ月後で約90%という。

 めまいリハビリは、新井部長の恩師である徳増厚二・北里大学名誉教授が道具を使って開発した方法で、その後、新井部長が道具を使わないで簡単にできる体操として改良してきた。

「薬物治療はもちろん必要ですが、『薬だけ』の治療に限界があるのも事実です。めまいリハビリで、悲し涙がうれし涙に変わった人が大勢います。決して、あきらめないでもらいたいと思います」

■横浜市が開設し、日本赤十字社が運営する総合病院。
◆スタッフ数=医師2人(非常勤医師5人)
◆年間初診患者数=約2000人(内めまい患者50%)
◆めまいリハビリの年間参加者数=延べ1万人

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