病院は本日も大騒ぎ

「病院食がまずい」とピザの宅配

 こんにちは、首都圏の総合病院で看護師長を務めている看護師歴十数年のサトミです。前回に引き続き、入院患者さんの強制退院について話しましょう。

 強制退院で多いケースは暴力、暴言ですが、規律違反で強制退院になる患者さんも少なくありません。とくに内科病棟には、いろいろな病気を抱えた患者さんが入院してさまざまなトラブルを起こします。

 例えば糖尿病患者さんの場合は、1日3食、管理栄養士が食材を選択し、カロリー摂取量を考慮して食事を提供しています。正直、病院食はおいしくありません。味噌汁や煮魚も減塩しています。そうした薄味に我慢できない患者さんは、病院に隠れて自宅から味噌や醤油、ソース、ふりかけなどを持ち込み、机の中に隠しています。

 1度か2度、使用現場を目撃したときは「(そんなことでは)病気が治りませんよ」と優しく注意しますが、出された病院食に醤油や塩をジャブジャブかけて食べている患者さんはもう警告では済みません。

 なかには「病院食がまずい!」と、病室に「ピザ」の配達をお願いしている身勝手な人がいます。

 せめて「談話室」で、見舞いに来た家族と食べるならまだ許せますけど、病室でチーズの香りを充満させながら食べていると警告だけでは済みません。度重なれば、ご家族と強制退院の話し合いになります。

 また、病院の施設や敷地内は絶対に禁煙です。灰皿はありません。ところが、よりによって肺がんや肺気腫の入院患者が、病院の裏でたばこを吸っています。こちらも1度は警告で済みますが、2度見つけたら強制退院ですね。

 治療には、国民の税金が使われています。それで治療をしているのですから、治療規則に背くような患者さんの不埒な態度は、病院としても責任が持てません。アルコールもまた同じですね。