医者も知らない医学の新常識

赤く腫れない筋肉注射が避けられている

 なぜ予防注射の方法が日本と海外で違うのでしょうか?

 それは以前、日本でお子さんの薬の筋肉注射により、筋短縮症という重篤な合併症が生じて社会問題となったトラウマがあるからです。

 しかし、小さなお子さんはともかく、大人のワクチンも皮下注射を強制するのはいささか強引で科学的根拠に欠けます。実際には、たとえばインフルエンザのワクチンであれば、小さいお子さん以外は筋肉注射にした方が、痛みや腫れは少なくて済むのです。

 ワクチンの方法は、もっと科学的であるべきではないでしょうか?

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。