家計簿を見れば病気がわかる

大都市圏で進む減塩

(C)日刊ゲンダイ

 食事から取る塩分の大半は、「調味料」からです。穀物、肉、魚、野菜などは、いずれも問題になるほどの塩分を含んでいません。前回は食塩のみの購入量を見ましたが、今回は調味料全体に含まれる塩分の総量を見てみましょう。

 家計調査で調べられている調味料(塩、味噌、醤油など)に含まれている塩分の総量を計算すると、表のような結果になりました。

 トップは山形で、1世帯当たり年間8キロ近く(1日当たり約22グラム)に達しています。しかし前回と比べて大きなメンバーチェンジはありません。長野が5位に入っていますが、実は食塩のみでも、長野は6位です。食塩をたくさん買っている県は、その他の調味料の購入量も多めで、濃い味の食事を好む傾向が強いのです。

 一方、下位にも大幅な入れ替わりはありません。下から2番目に沖縄が入ってきましたが、食塩のみの購入量もかなり控えめな県です。また、神奈川は下から6番目、東京は7番目で、大阪、兵庫、愛知とともに、大都市圏で減塩が進んでいることが分かります。食塩の購入量が少ない県は、調味料の購入量も少なめで、薄味を好む傾向にあるといえます。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。