家計簿を見れば病気がわかる

大都市圏で進む減塩

(C)日刊ゲンダイ

 食塩は、漬物、加工食品、総菜などにも使われていますから、実際には、表の数字よりも1~2割多い塩を購入しているはずです。しかもそれらは、地元の味覚に合わせて作られます。塩味好きの県民はより多くの塩分を取り、塩味をさほど好まない県民はより減塩が進むわけです。

 心配な人は、家計簿の食塩の購入量をチェックしてみてください。食塩の購入量が多い家庭は、その他の調味料や食品からも塩分を多めに取っており、結果として普段から塩分を取りすぎている可能性が高いのです。

 ただし40~50代では、塩分量と高血圧患者数は、あまり相関していません。高齢になるに従って塩分による高血圧患者が増えてきます。その結果、県全体の患者数も多くなります。

 表には各県の高血圧の患者数も載せました。例外はあるものの、塩分の多い県ほど患者も多いことが分かります。

 老後のことを考えれば、いまから薄味に味覚を慣らしておくべきでしょう。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。