耳鼻科の病気

米国で触れた最新医療機器

 今回は趣を変えて、私が参加した全米耳鼻咽喉科・頭頚部外科学会総会兼耳鼻科エキスポについてお話ししましょう。

 エキスポというだけあり、世界から医療機器メーカーが集まり、巨大な見本会場で最新医療機器を展示します。そのこともあって、世界中から医師や研究者などが多数参加します。

 日本では考えられませんが、会場内には、遺体を使って手術セミナーを行うブースもあります。医師が順番に並んで、企業のお抱え医師の指導を受けながら手術を行います。びっくりしました。

 私が面白いと思ったのは、骨伝導の仕組みを用いた最新型骨導補聴器です。といってもこれは埋め込み型で、頭蓋骨に補聴器の台座を埋め込んで(とても簡単に手術できる)、そこに本体を取り付けるものです。耳の中に補聴器を入れる必要がなく、伝音難聴の方にはかなりの効果が期待できます。他には、人工内耳の最新型も展示されていました。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。