耳鼻科の病気

米国で触れた最新医療機器

 座ってできる耳鼻科専用のCT(コーンビームCT)は、とても小さいスペースで使える上、放射線被曝量も少ない。日本で普及すれば、より正確な診断が可能になるでしょう。

 最新の手術ロボットも興味深いものがあります。舌の奥など、これまでは肉眼で見えにくく、手術の鉗子も届かなかったところが、容易に手術できるようになっています。これなら舌の中の脂肪を容易に取ることが可能で、いびき手術も苦労しなくてすみそうです。

 竜のようにくるくる回る軟性内視鏡と軟性ドリルの一体型内視鏡も、使い勝手がありそうです。今までの内視鏡は、内視鏡が軟性でもドリルは硬性で曲がりませんでした。軟性内視鏡とドリルの一体型なら、見えたところがそのまま手術できるというメリットがあります。これを使えれば、細かいところまで手術ができ、蓄膿症手術のリスクが減り、手術時間と入院期間が短縮できそうです。

 日本では海外で開発された新しい薬ばかり注目されがちですが、医療器具・機械の発達も医療の将来を変えるものなのです。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。