独白 愉快な“病人”たち

プロレスラー 長州力さん(63) アキレス腱断裂

長州力さん(C)日刊ゲンダイ

 その日は青森で1泊して東京に翌日戻り、両国の同愛記念病院に直行。ここはアスリートの専門病院で、筋肉や関節の名医が揃っているんです。入院中の力士やスポーツ選手がたくさんいた。そして断裂から2日後に手術。俺の場合、太いアキレス腱がバッサリ断裂したから、爆竹のような爆音がしたように感じたらしい。アキレス腱が伸びると、力を入れてもしっかり踏ん張れなくなるから、断裂した方が再生しやすいらしいよ。

 20年近く毎日同じようにストレッチとトレーニングをしてから試合に臨んでいるのに、なぜその時、切れたのか。医師に理由を聞いたんだけど、「どんなにストレッチしていても、切れる時は切れる」としか言われなかった。普通のサラリーマンでも、ある日突然アキレス腱を切ることがあるらしいから、俺だけに特有の故障とも限らないそうです。

 入院していてもやることがないから、足以外のトレーニングをすぐ始めた。アスリート専門の病院だから、スポーツジム以上にリハビリ施設が充実していてね。ちょうど隅田川の花火大会があって、花火がよく見えた。病室は特等席だったよ。

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