「なんとなくだるい」と相談にいらしたのは、30代半ばの男性。ひょろっとしたやせ形の体形で、顔が青白く、声が小さい。どちらかというと、覇気がないタイプです。
ほかの症状を聞くと、「肩凝りや腰痛がひどい。疲れやすい。胃の調子が悪い。風邪をひきやすい。便秘が続く」など、出るわ、出るわ。このうち、肩凝り、腰痛、便秘は以前からある不調で、最近、特にひどくなったそうです。
生活スタイルを聞くと気になることがありました。やたらと野菜の摂取量が多いのです。それもサラダばかり!
「便秘対策です。独身なので、コンビニやスーパーでサラダを買ってきて毎食食べています。それが何か、問題でも?」
彼の場合、問題大アリです。
野菜そのものは積極的に取ってほしい食品ですが、生野菜ばかり取っていると、体が冷えて不調の原因になります。
東洋医学では、体の冷えが原因となる代表的な症状として、頭痛、肌荒れ、肩凝り、腰痛、疲れやすい、だるい、風邪をひきやすい、胃痛、食欲不振、便秘、下痢、むくみなどが挙げられますが、まさにこの相談者の不調とぴったり。
「野菜は旬のものを鍋や煮物で食べてください」とアドバイス。生野菜ではカサが多いので量をそれほど取れませんが、加熱すればたくさん食べられ、食物繊維の摂取量も増えます。そのほかにも、この男性は刺し身が好物だったのですが、「それも量は控えめに」と伝えました。
食生活改善と、血流をよくするためのウオーキングや半身浴、そして補腎薬の処方で、1カ月後に来た彼は見違えるほど元気そう。「不調が一気に解決しました」という声も、初回よりずいぶん張りがありました。
漢方達人をめざせ!