家計簿を見れば病気がわかる

魚を買わない沖縄県民に循環器病が少ないのは?

(C)日刊ゲンダイ

 魚の消費にこれだけ差があるのですから、魚による健康効果の差がはっきりと見られるかもしれません。前回も書いたように、魚には中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)を減らす効果があるといわれています。

 ところが、メタボ健診の結果を調べてみると、特にこれといった傾向は見られないのです。鮮魚消費量が多い県が中性脂肪やLDLが目立って低いということはありませんし、少ない県の検査結果が悪いということもありません。

 〈表〉には、各県の循環器病の患者数(受療率)を載せましたが、こちらもこれといった傾向は見られません。購入量では最下位の沖縄が、患者数ではもっとも低いのですから、ちょっとした皮肉にも思えます。

 とはいえ世界的に見れば、日本人が循環器病にかかる率は圧倒的に低いのです。魚の効果は十分に出ていると取ることもできます。つまり、沖縄や岐阜くらいの量を食べていれば、循環器病の予防効果はマックスで、それ以上食べてもほとんど変わらないということなのかもしれません。

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