常識と真逆の新理論 「一本の注射」で慢性的な痛みは消せる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「病名がついている人からそうでない人まで、さまざまな患者さんが全国から来ます。病名がどうであれ、慢性的な痛みの多くには軽微な炎症があり、触診や超音波検査で確認できます」

 今、痛みの治療には鎮痛剤がある。しかし、鎮痛剤のような全身に効く治療では、痛みがある箇所(局所)にできた新生血管による軽微の炎症には効果がない。ちなみに、「鎮痛剤が効かなければ炎症が原因の痛みではない」とこれまでされてきたが、それは局所の炎症に作用していなかったからだ。

 神経ブロック注射も痛みの治療で使われるが、神経ブロック注射は炎症部分ではなく痛みが脳に伝えられる途中の神経に作用する。やはり軽微な炎症には効果がない。

「軽微な炎症にピンポイントで薬剤を効かせなくてはなりません。そこで注射で新生血管をつぶす作用のあるステロイド剤などを投与します。ステロイド剤は、通常使う量の4~8分の1と少量で、局所に使うので副作用の心配はありません」

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