しなやかな血管が命を守る

血管形成術の成功率は8割

東邦大学佐倉病院の東丸貴信教授(写真左)/(C)日刊ゲンダイ

 だからといって、安心してはいけません。PADは同じ動脈硬化性疾患である虚血性心疾患や脳血管疾患を伴うことが多く、いったん発症すれば予後は悪く、重症ではがんよりも死亡率が高いといわれているのです。

 幸い症状なしの状態で病気が見つかった場合は、全身的動脈硬化症と血栓症を予防するための治療と生活習慣病の治療を同時に行います。具体的には「バイアスピリン」や「プラビックス」等の抗血小板薬を使用します。

 もし、症状が出れば、血管を広げたり血流を良くする「アンプラーグ」「オパルモン」「エパデール」等が症状を軽減するのに役立ちます。もちろん、抗血小板薬も必要です。

 このような投薬治療を行っても症状が改善しない時は、外科的治療が必要となります。その場合は「バイパス手術」と「血管内治療」の2通りの選択肢があります。

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