前回は「進行がんと宣告されたら、残りの時間は全部、自分のために使った方がいい。治療なんか無駄だ」というニュアンスで書きました。しかし、現実はそう簡単ではありません。
「頑張って6カ月、治療に集中したにもかかわらず死んでしまった」という例と、「1カ月は自由に暮らせた」という例を比較するのは、治療のメリットを無視し過ぎという面があるからです。
実際、6カ月間治療に集中したら効果があって、その後、元気な1年が手に入ったというケースもあるのです。
そうなると「治療なんて無駄だから、残りの時間は全部、自分のために使った方がいい」と断言することはできません。どちらを選ぶかは難しいところです。
「治療などしないで自由に過ごす」か「治療を頑張る」かの選択は、その時の治療の効果がどれくらい期待できるのか、危険がどれくらいなのか、が重要になります。
医療数字のカラクリ