仮に「6カ月治療すれば80%以上の人に元気な1年が手に入る」としたらどうでしょう。そうなると「6カ月、頑張ってみようか」という人が増えるでしょう。
ただ、そのような大きな効果があったとしても、「10%は副作用で死んでしまう」としたら、また訳が分からなくなります。たとえば有効な抗がん剤の治療といっても、100%有効ということはありません。せいぜい20%生存率が高いとか、30%高いというケースがほとんどです。さらに、この「20%、30%生存率を改善する」という数字も、平均余命と同様の平均値に過ぎません。個々の患者によっては全く効果がなかったり、逆に劇的な効果がもたらされるかもしれないのです。難しいものです。
医療数字のカラクリ