意外に知らないHIVの知識 感染後の自然妊娠・出産も可能

「HIVは感染してから発病するまで、最長10年ほどの潜伏期間があります。発病すると、免疫力が極端に低下し、通常ではかからないような病気に感染し、死に直結しますが、潜伏期間のうちにきちんと治療を受ければ発病させることなく寿命を全うできます。そうすれば、男性感染者が健康な女性とセックスしても、相手にHIVを感染させる恐れはまずありません。自然妊娠で子供を出産することもできます。もちろん、子供もセーフです」

 ただし、普通に生活できるのは、あくまでも“治療”していればの話。“治療”を受けていなければ、発病前でも相手に感染させてしまう。

「潜伏期間は、症状がほとんどなく、HIV感染を疑いにくい。だから、定期的に健診を受けていなければ、『ちょっと変だな』と受診したときに、“いきなりエイズ”と診断され、手遅れとなりかねないのです」(藤田紘一郎氏)

 毎年400人ペースで増えている新規患者のうち3割が“いきなりエイズ”。中高年が多いというから、身に覚えのある人は早めに検査だ。

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