介護の現場

何度もブザーを鳴らす入居者に「押しすぎると爆発しますよ!」と警告

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 施設の勤務時間は1日3交代制で、主な職務は寝起き介護、入浴介護、食事介護、おむつ交換等で、とくに月に4回ほどある夜間当番は神経をすり減らす。

 各部屋には職員休憩室に通じる呼び出しブザーが設置されている。これをむやみに鳴らす入居者が多い。

「おむつ交換の要求ならわかります。しかし、高齢者には、『寝たら、もう翌朝は起きられない』という死の恐怖感を抱く人が少なくありません。だから“眠れない”と、ブザーを鳴らすのです。一晩で何度もブザーを鳴らす入居者には、『あまり鳴らすとこのボタン、爆発しますよ!』と警告しています」

 また、こんなケースも。認知症が進んでいる入居者の就寝介護を終えた夜の10時。ホッと一息ついていると、その入居者が30分ほどして起きだし、「これから自宅に帰りたい」とわがままを言う。

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