役に立つオモシロ医学論文

屋外遊びが近視を防ぐ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 近視とは、近くのものが見えて、遠くが見えづらい状態をいいます。そのために眼鏡をかけたり、コンタクトレンズを装用したりなど、日常生活にも大きな影響が出ることでしょう。

 親が近視の場合、子どもが近視になる可能性は比較的高く、遺伝的な要素が複雑に絡んでいるともいわれています。また、読書やパソコンなどの画面を見続け、目を酷使するような環境も、要因であると考えられています。

 近視が予防できる方法があれば、ぜひとも試してみたいところ。米国医師会誌2015年9月15日号に、小児を対象とした近視予防に関する論文が掲載されました。

 この報告は中国の小学生(平均6.6歳)を対象としたもので、屋外活動と近視の関連を検討したものです。中国にある12の小学校を、「屋外遊びを奨励する6校」(952人の小学生)と「通常の生活パターンを行ってもらう6校」(951人の小学生)の2つのグループに、学校単位でランダムに振り分けています。なお、屋外遊びは放課後40分の屋外活動に加え、週末や休暇中も屋外活動を奨励するというものです。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。