Q
狭心症で冠動脈バイパス手術を勧められていますが、正直、手術中の輸血に不安があります。輸血をせずに手術を受けることは可能でしょうか?(76歳・男性)
A
輸血部などの専門科や設備が整っている病院では、手術の際の輸血は「自己血輸血」にシフトしてきていることを前回紹介しました。献血から作られた血液製剤ではなく、術前に自分の血液を採血してためておいた自己血を使用すると、術後の貧血改善など患者さんにとってさまざまなメリットがあるからです。
今回は少し脱線して、「輸血」の現状についてお話ししましょう。
ひと昔前の映画やドラマなどで、大きな手術に臨む医師が「すぐ輸血に対応できるように、血液型が同じ家族や知人を集めてください」なんてお願いをするシーンを目にしたことがある読者も多いと思います。しかし、そうした展開は、もう四半世紀前くらいに終わっているといえます。
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