漢方達人をめざせ!

味がわからなくなった

 ダイエットのしすぎで「料理の味がわからなくなった」と言うHさん(45)がいらっしゃいました。

 東洋医学では、口から取る食べ物を「水穀(すいこく)の精微(せいび)」、呼吸によって吸う空気を「清気」といいます。

 水穀の精微と清気が2つ一緒になって、肺で「宗気」ができます。宗気は体内を下り、腎で「真気」ができます。清気、宗気、真気の3つの「気」が合わさって「元気」ができる。元気は腎にためられるので、腎が悪くなると、元気もなくなると考えます。

 ダイエットなどで食べ物を取らなくなれば、水穀の精微が体内に入らないので、結果的に元気がなくなります。

 しかも、胃の中にある気、「胃気」が味覚に関係しているのですが、食べ物が胃に入らなければ、胃気も活性化されないので、失調して味覚障害になります。

「だから、いくらやせたいからって、食事を取らないのはダメなんですよ」とアドバイスをすると、Hさんも「功を急ぎすぎました」と反省の様子。

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久保田佳代

久保田佳代

父は乳児院院長、母は薬剤師、長女は歯科医、次女は眼科専門医という医療一家に産まれたが、昨今の臓器医療である西洋医学とは違い、人に向き合い、カラダとココロの両面から治療が行える漢方を志し20余年経つ。昭和薬科大学卒業、老舗漢方薬局を経て、「氣生薬局」開局。サプリメントアドバイザー、漢方茶マイスター、日本プロカウンセリング協会1級など多数資格取得。「不妊症改善における実力薬局100選」に選ばれている。