そんな制度があることから、民間の医療保険はいらないという考え方があります。自己負担限度額くらいなら、貯金でカバーできないことはありません。だとすれば、毎月の保険料をほかに使おうというのが“保険不要論”の根拠。
理屈はもっともですが、がん患者の苦しい現状を知ると、保険は入っておくのが無難でしょう。俳優・今井雅之さんも女優・川島なお美さんも、それぞれ大腸がんと胆管がんで54歳で亡くなりました。北斗さんは48歳、喉頭がんを告白した音楽プロデューサー・つんく♂さんは46歳。皆さん、50歳前後。このことからも分かるように、がんは働き盛りに発症することが少なくないのです。
厚労省の調査では、全がん患者約80万人のうち20~64歳が約26万人で、32%。仕事しながら通院している方が32万人に上ります。つまり、高額の治療費をやりくりするため、仕事を続けざるを得ない面もあると思います。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁