Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【番外編】マネーを考える

左上から時計回りに、北斗晶、つんく、今井雅之、川島なお美(C)日刊ゲンダイ

 それでも仕事を続けられる方は、恵まれている方かもしれません。がんと診断されたサラリーマンのうち、30%は依願退職し、4%は解雇されているのです。回答時に「勤務中」と答えた方は48%と、5割を切っています。自営業者の場合は、13%が廃業に追い込まれています。

 がんを患うと、働き続けるのが難しくなることがままあるのです。そんな実情を知ると、特に現役世代にとって、保険は必要といえます。

 国立がん研究センターの調査によれば、18歳未満の子供を持つがん患者は5万人を超えています。診断時の平均年齢は、男性46歳、女性43歳で、子供の平均年齢は11歳。小学5、6年生で、まだまだ教育費が必要な年齢です。北斗さんにもつんく♂さんにも子供がいて、この調査結果と見事に重なります。

 豪華なプランにすることはありませんが、がんに備えるシンプルな保険は必要だといえます。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。