家計簿を見れば病気がわかる

血圧改善の効果大「バナナ」の消費が少ない九州

(C)日刊ゲンダイ

 果物で、真っ先に思いつくのはリンゴ、ミカン、ブドウという人も多いでしょう。しかし消費量からみると、バナナが1位です。

 果物の消費量(購入量)の全国平均は、1世帯当たり約83キロに達します。そのなかでバナナが占めるのは約19キロ(約23%)で、他を圧倒しています。バナナは熱帯・亜熱帯の果物で、国内ではほとんど作られていません。ほぼ100%を輸入に頼っているにもかかわらず、“果物の王様”として、君臨しているのです。

 バナナの消費トップは広島。県内で収穫される代表的な果物は、レモン、ハッサク、キヨミオレンジなどですが、バナナにはかないません。

 バナナ好きの県には、これといった地域性がありません。一方、消費の少ない県には、九州・沖縄が集まっています。最下位は熊本、その次が沖縄ですし、〈表〉には載っていませんが、宮崎が下から8位、福岡が下から10位となっています。

 バナナは糖分が豊富なので、カロリーを心配する人がいます。しかし、消化吸収されにくいオリゴ糖と呼ばれる成分が多いため、味覚ほどにはカロリーはありません。オリゴ糖は、大腸の善玉菌の餌になり、腸内環境を整える効果があるといわれています。ヨーグルトと一緒に食べると、さらに効果が増すという説もあります。

 また食物繊維も豊富なので、便秘気味の人におすすめです。とはいえ、バナナ好きの県は大腸がんが少ない、といったことはありません。大腸がん予防の効果はなさそうです。

 カリウムも豊富です。カリウムは、体内のナトリウムの排泄を促す働きがあるため、塩分多めの食事を取っている人に向いています。塩分の取り過ぎは高血圧のもとですから、その意味でバナナには血圧改善の効果が期待できます。

 血糖値の急激な上昇を抑え、糖尿病を予防する効果があるという人もいます。最近では、バナナを食べると、むしろ血糖値が下がるという説が出てきています。実証はまだこれからで、信頼性の低い話です。しかし、もしそれが本当に証明されれば、バナナは名実ともに果物の王様として、不動の地位を確立できることでしょう。