耳鼻科の病気

花粉症の日帰り手術

 2月の終わりから3月は全国各地でスギの花粉が飛散し、花粉症の症状に悩まされる方が増えてきます。症状自体は薬で緩和されることが多いのですが、以前と違って眠気に襲われにくく、効果も高い薬が出てきました。

 それでも、人によっては強い眠気を催す方もいらっしゃいます。仕事中に眠くなってはいけない運転手さん、妊娠すると鼻炎症状がひどくなる女性、テストで眠気が出ると困ってしまう受験生、いろいろなお薬を飲んでいてお薬の量を減らしたい方、ステロイド入りの強い薬を常時飲まないといけない患者さんなどは要注意。鼻の日帰り手術で、鼻水を起こす場所を減らし、鼻づまりを軽減。鼻水も減らすことができます。

 レーザーや高周波ラジオ波による鼻の「下甲介粘膜の焼灼術」がソレです。どちらも鼻に30分ほどガーゼを入れ、手術時間は数分で終わります。入院なしで、次の日から普通に生活できるという画期的な手術です。もちろん、保険が適応されます。

 この手術をわかりやすく理解するために、鼻の粘膜をあんまんと考えて下さい。あんまんの白いところ(皮)の表面を火であぶって、焦げた皮を剥ぐのがレーザー手術です。あんまんを電子レンジでチンすると、皮のところはフカフカになりますが、少し経つと皮もあんこも硬くなり、全体的な大きさも小さくなります。これが高周波ラジオ波です。

 レーザーの鼻腔粘膜の手術は非常に効果が高いのですが、日本で発達したもので、米国では見かけたことはありません。国際的にはガラパゴス的手術に見えるかもしれませんが、日本人に大きな恩恵をもたらす手術なのです。

大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。